予防接種内容
私たちが細菌やウイルスに感染すると、体内でその病原体に抵抗する力(免疫)が作られます。
予防接種ではこの原理を応用し、まだかかっていない疾患に対する免疫をつけるために、病原体の毒性を弱めたり無毒化したりした抗原物質(ワクチン)を投与します。罹患前に免疫をつけることで、感染による発症を抑えたり、症状の重症化を防いだりする目的で行います。また、伝染病の広がりを抑えるのにも効果的です。
世の中には数多くの感染症がありますが、ワクチンがあるものと無いものがあります。
インフルエンザ
インフルエンザは、A型もしくはB型のインフルエンザウイルスが喉や鼻から感染することで発症する病気です。インフルエンザはきわめて感染力が強く、短期間に集中して大勢の人が罹患するため、個人の健康だけでなく、社会活動にも影響を与えます。
通常は発症しても一週間以内に回復する疾患ですが、高齢者や乳幼児、妊婦、体に何らかの基礎疾患を持つ方が罹患すると、肺炎や気管支炎などの重症化を引き起こす危険があります。
インフルエンザワクチンは、ウイルスの感染や発症を完全に防ぐことはできません。しかし、重篤な合併症や死亡などの危険性を軽減する効果が、世界的に広く認められています。
インフルエンザウイルスは、毎年異なる型の抗原が流行するため、毎年接種を受ける必要があります。接種してから効果が出るまでに約2-4週間の期間を要し、免疫獲得後は5ヶ月効果が持続します。そのため、流行前の10月下旬頃から12月頃までの接種をお勧めします。
肺炎球菌(成人用)
●肺炎球菌とは
肺炎球菌とは、鼻や喉に存在する常在菌の一つであり、通常では感染を引き起こすことはまれです。しかし、風邪などの免疫力が低下している状態のときに、菌が体内に侵入して感染を引き起こすことがあります。とくに幼い子どもや高齢者が罹患すると重症化しやすいため、注意が必要です。
なお65歳以上の方や、何らかの基礎疾患をお持ちの方には、肺炎球菌ワクチンの予防接種をお勧めしています。
肺炎球菌ワクチンはいつでも接種可能ですが、年齢によって定期接種と任意接種に分けられますので、詳しくは予約時にご確認するか、お住まいになる自治体の公式ホームページをご覧ください。
また、インフルエンザに罹患すると肺炎にかかりやすくなりますが、その肺炎の原因としてもっとも多い病原菌が肺炎球菌です。肺炎の重症化を防ぐためにも、インフルエンザワクチンだけでなく、肺炎球菌ワクチンも接種することが大切です。
子宮頸がんワクチン(シルガード・ガーダシル)
子宮頸がんワクチンとは
子宮頸がんとは、女性の子宮頸部に発生するがんのことで、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が、その発生に関与しています。
日本では、年間15000人が子宮がんにかかり、3500人が子宮がんによって亡くなっています。子宮がんから身を守るには、定期的な検診を受けることが大切ですが、さらに予防することが理想的です。予防のために、HPVワクチンの接種が推奨されています。
子宮頸がんワクチンは、シルガード(9価HPVワクチン)とガーダシル(4価HPVワクチン)どちらかを選択することができます。ワクチンの効果を得るには、合計三回の接種が必要です。
どちらのワクチンも、子宮頸がんの主な原因といわれる16型と18型のHPV感染を予防することができ、尖圭コンジローマの原因となる6型と11型のHPV感染も予防できます。
※途中から他のワクチンに変更することはできません。
なお子宮頸がん予防ワクチンの接種後に見られる主な副反応には、発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神などが挙げられます。接種を希望される場合は、ワクチンの有効性とリスクを十分にご理解いただいた上で、お受けになるかどうかをご判断ください。
風疹ワクチン
風疹ワクチンとは
風疹とは、風疹ウイルスによって起こる感染症で、発疹や発熱、リンパ節の腫脹などを症状とする疾患です。まれに脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。感染しても明らかな症状が認められない場合もあります。
従来は、幼児~小学校低学年の児童に多く発生していましたが、最近は成人男性の感染が多くなっています。成人が罹患すると、子どもと比較して発熱や発疹の期間が長い傾向にあり、ひどい関節痛を伴う場合があるといわれています。
また妊娠中の女性が風疹に罹患すると、胎児に垂直感染し、先天性風疹症候群という難聴や心疾患、白内障、発達障害などの障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。妊娠中は風疹の予防接種を受けることができませんので、妊娠を希望されている女性は、妊娠前に風疹の抗体価チェックを行い、抗体が無ければ予防接種を受けることをお勧めします。
また、男性が抗体を持たずに風疹に感染してしまった場合、妊娠中のパートナーや、知り合いの女性にうつしてしまう危険性があります。男性も抗体価チェックを行い、抗体が無ければ予防接種を受けるようにしましょう。
A型肝炎
A型肝炎とは
A型肝炎とは、A型肝炎ウイルス(HAV)の感染によるウイルス性肝炎の一種です。感染後、約一ヵ月の潜伏期間を経て、急な発熱や全身倦怠感、食欲不振や嘔吐などの症状があらわれます。
世界中で罹患する可能性のあるウイルスですが、とくに衛生環境の悪い国では感染の危険が高くなりますので、出張や旅行を計画している方は、HAVワクチンの予防接種が推奨されています。
B型肝炎
B型肝炎とは
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によるウイルス性肝炎の一種です。B型肝炎の症状は、急性肝炎と慢性肝炎の二つに分けられます。
急性肝炎では、感染後約一ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感や食欲不振、嘔吐、黄疸などの症状を呈します。ときに劇症肝炎を引き起こして肝不全になってしまうこともあります。一般的には数週間で症状はおさまり、ウイルスは対外へ排出されて回復期に入ります。
乳幼児や抵抗力の低い人が感染を起こした場合、ウイルスが排出されずに持続感染を起こす場合があります。キャリアとなっても、症状が無い状態で一生を終える方が多いですが、慢性肝炎へと移行してしまい、肝硬変や肝がんになってしまう方もいます。
医療従事者など、キャリアに接する機会の多い方は、接種が推奨されています。通常であれば2~3回の接種で抗体ができます。
※当院では、予防接種は予約制で行っています。料金など、詳しくはお問い合わせください。
医院概要
医療法人社団 令和会 新橋の内科・泌尿器科新橋日比谷通りクリニック
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東京都港区新橋2-12-16 明和ビル3F - 最寄駅
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(ヨクナロー)
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