性病について
性病
性病の心配をされている方は、ご自身でインターネットで検索されるケースが多いかと思います。しかしながら、氾濫するネット情報の中には明らかに間違った情報もあり、過度に心配しすぎて不安が助長されている患者さんも増えてきているように思います。受診される医療機関も自由診療のみのクリニック、保険診療のクリニックもあり、患者様方はどこへ行ったらよいか迷っておられるようです。保険診療では、例えば尿道痛のような症状があり、最低限必要な検査治療を行い、患者様は3割の負担金をお支払いいただく制度のため検査も多くはできません。一方、自由診療ではそのような制約がないので、いくつでも検査可能ですが、当然検査代金だけで、高額となり場合によっては数万円になってしまいます。治療費も必要な場合はさらに負担が増えてしまいます。
新橋日比谷通りクリニック院長は、日本泌尿器科学会専門医・日本性感染症学会認定医の資格を有し、性病の臨床経験は豊富です。性行為がきっかけで発症する病気は必ずしも性病だけではありません。男性では前立腺炎、女性では膀胱炎だったりすることも多いのです。
当院は、基本的には保険診療ですが、患者様のご相談内容に応じて、自費の診療も柔軟に対応しております。
一通りの性病がチェックできるスタンダードなセットメニュー(STI健診)をご用意しております。
この検査は性病検診となりますので、陽性結果が出た項目については、保険診療の対象となります。(自費希望の方は自費診療も可能です)
よくある誤解
保険診療で保険証を使っても患者様の検査内容や病名が、健保組合を通じて職場に知らされることは、ありませんのでご安心ください。
新橋日比谷通りクリニックは、性病専門ではなく、内科・泌尿器科を標榜しており、待合室ではどちらの科を受診するのかわかりません。かぜや高血圧などの一般内科で受診される方も多く、プライバシーは完全に守られます。丁寧な診療と説明を心がけていますので気兼ねなく受診してください。
性病とは
性病(性感染症、あるいは性行為感染症)とは膣性交や肛門性交、あるいは口腔性交などの性的接触によって引き起こされる感染症のことです。
性器の分泌物の性状が変化したり、性器やその周囲に潰瘍が生じたり、下腹部が痛くなったりなどの症状が認められることもありますが、初期には症状を示さないか、あるいはごく軽度のことも多いため、注意が必要です。
コンドームの使用や、不特定多数の人と性行為をしないというセーフセックスの実施によって、性感染症に感染する危険性を軽減することができます。しかし、性行為を行う以上、どんな人も性感染症に罹患する可能性があります。また、膣内常在菌による膣カンジダなどは、性行為の有無に関わらず、抵抗力が弱っているときに罹患することもあります。
ほとんどの性感染症は、早期の治療によって完治させることが可能です。HIV感染症などの完治できない疾患も、早期に受診して適切な治療を行うことで、寛解(病状が治まって穏やかであることが続く状態)することもあります。
性感染症は、とくに「恥ずかしい」という思いから受診をためらう方も多いのですが、早期発見早期治療が大切です。症状が悪化する前にぜひ受診をお勧め致します。性感染症は、誰しもが罹患する可能性のある疾患です。お一人で悩まず、何でもご相談ください。
クラミジア感染症(潜伏期間1~3週間)
クラミジア感染症とは
クラミジア感染症にはいくつかの種類がありますが、とくに感染者が多いのは、クラミジア・トリコマティスという細菌の感染によるものです。クラミジアに感染した場合、HIVの感染確率が通常の3倍以上になるというデータがあるため、クラミジアの検査をする際は、HIV検査も行うことをお勧めします。
【男性の症状】
- 尿道のむず痒さや不快感
- 排尿時の軽い痛み
- さらさらした膿が排出される場合もあります
男性の約半数は無症状ですが、感染に気づかないまま症状が進行すると、尿道炎から精巣上体炎を引き起こし、男性不妊につながることもあります。
【女性の症状】
- おりものの増加
- 生理痛のような下腹部痛
- 性器出血を伴うこともあります
女性の約八割は無症状ですが、感染に気づかないまま症状が進行すると、子宮頚管炎や子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などを引き起こす可能性があります。これらの疾患は、不妊や子宮外妊娠、流産、あるいは早産の原因ともなります。
また、感染に気づかず妊娠した場合、胎児に産道感染を引き起こし、新生児結膜炎や新生児肺炎となってしまう可能性もあります。
淋菌感染症(潜伏期間1週間以内
淋菌感染症とは
淋菌感染症は、淋菌による性感染症です。淋菌は弱い菌で、粘膜から離れると短時間で感染性を失うため、性行為以外で感染することはまれな疾患です。
最近では、耐性菌(抗生剤が効きにくい)が増加しており、その場合は抗生剤の変更が必要です。
淋菌感染症は世界的に増加傾向で、罹患するとHIV感染確立が上昇するという報告もあることから、注意が必要です。また、クラミジア感染症と併発していることも多いため、淋菌に感染している場合は、クラミジアの検査も行う必要があります。
【男性の症状】
- 多量の尿道分泌物(黄白色、膿性)
- 尿道口の赤み、痛み
- 排尿時痛
無治療のまま経過すると、精巣上体炎を引き起こします。尿道炎では発熱は認められませんが、精巣上体炎では発熱や悪寒などの症状があり、陰嚢の腫脹や激しい痛みを伴います。将来的には男性不妊の原因ともなります。
【女性の症状】
- おりものの増量感
- 性器出血を伴うこともあります
女性は感染しても無症状の場合が多く、自覚の無いままパートナーに感染させてしまう危険があります。症状が進行すると、卵巣炎や卵管炎、骨盤腹膜炎などを引き起こし、不妊の原因となります。
【女性の症状】
淋菌の治療では、症状が消失しても、内服や受診を自己中断しないことが大切です。途中で治療を中止すると、完治しなかったり、耐性菌が発生してしまったりする可能性があります。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ尿道炎
クラミジアでも淋菌でもない尿道炎の原因として考えられる尿道炎です。
潜伏期間は1‐5週間程度で、クラミジア性と同様の症状か無症状のこともあります。
検査は可能なのですが残念ながら、保険が効かないため自費診療となります。
治療もクラミジアと同じ抗生剤が有効なのですが、時に難治性です。
梅毒
梅毒とは
梅毒は、梅毒トレポネーマ・パリダムという菌によって起こる性感染症です。性器から性器への感染が主ですが、まれに口から口に感染することもあります。潜伏期間が3~6週間と長く、発症後も、症状が出る時期と出ない時期を繰り返しながら進行していくため、無自覚のうちに他者へとうつしてしまう危険性があります。
1943年にペニシリン系の抗生剤による治療が梅毒に有効であることが分かってから、世界的に減少傾向にありましたが、その後数回の再流行を認めており、近年日本でも患者数が増えつつあります。
なお梅毒は、増悪と寛解を繰り返しながら次第に進行し、最終的には循環器系や骨、中枢神経系など、全身に病変が及ぶ怖い疾患です。早期に治療することで完治が可能ですので、症状にお心当たりのある方は、お早めに当院へお越しください。また梅毒は進行状態によって病期を区分(第1~4期)し、治療法も異なります。それぞれの病期の特徴は以下の通りです。
第1期
- 感染後3~9週間の時期
- 外陰部に無痛性の小さな赤いしこり(初期硬結)が生じる
- 初期硬結がただれ、無痛性の潰瘍を形成する(硬性下疳)
- 少し遅れて、足の付け根のリンパ節腫脹を認める(無痛性)
第2期
- 感染後9週間~3ヶ月の時期
- 体幹部に小さな無痛性の紅斑が多数発生する(バラ疹)
- ときにバラ疹から梅毒性丘疹(暗紅色の痒みのない丘疹)に移行する
- 口唇や口の中、喉などに灰白色の粘膜疹を認めることもある
- ときに無症状で、梅毒血清反応が陽性を認めるのみの場合もある
※第1期、第2期の症状はかゆみや痛みがなく、無治療でも自然に消えてしまうことが特徴です。しかし、この間も感染は継続しており、次の段階へと進行していきます。
第3期
- 感染後3年~10年の時期
- 皮膚の下に硬いしこりやゴムのような腫れ(ゴム腫)が形成されます。
- 骨や筋肉、肝臓や腎臓などにもゴム腫を生じる場合があります。
第4期
- 感染後10年以降の時期
- 循環器系や中枢神経系が侵され、歩行麻痺や認知症などの症状が現れます
- 日常生活を送ることが困難となり、最終的に死に至ります
治療は、従来はペニシリンの内服が4週間程度必要でしたが、現在は、ステルイズという注射製剤が日本でもようやく認可され、1回治療が可能となりました。保険診療が可能です。
第2期までに完治させるためにも、早期に受診し治療を開始することが肝要です。
HIV感染症
HIV感染症とは
HIVの感染経路には、性行為による感染、血液を介する感染、母子感染がありますが、このうち性行為による感染がもっとも多い割合を占めています。異性間接触の場合、女性は主に膣の粘膜から、男性は主に亀頭部の傷などから、HIVが侵入することで感染します。また、男性同性間の性的接触においては、肛門性交によって腸管粘膜から感染します。腸管粘膜は膣や口腔の粘膜よりも薄く、細かい血管が豊富であるため、肛門性交は膣性交よりも感染の危険性が高くなっています。
主な症状ですが、感染初期(感染後2~6週間)に風邪のような症状を呈することが一般的ですが、無症状の場合もあります。初期症状には発熱やリンパ節腫脹、頭痛、筋肉痛、下痢などが挙げられますが、いずれにしてもHIVに特有の症状ではないため、HIV感染を調べるためには検査が必要です。
初期症状が消失した後は、約5年~10年ほど無症状のまま経過します(無症候期)。無症候期の間にHIVは日に日に増殖していき、体の免疫機構の中心であるTリンパ球を壊していきます。Tリンパ球がある一定数を下回ると、免疫不全状態となり、AIDS(後天性免疫不全症候群)を発症します。
HIV感染=必ずAIDSを発症するわけではない
HIV感染症は、早期に発見して治療を開始することが肝要です。近年では、AIDSを発症してからの治療も効果が高いものが多くありますが、早期に治療を開始することで、AIDSの発症を遅らせることができ、長期間にわたり、健常時と変わらない生活を送ることが可能です。AIDSを発症することなく寿命を全うできる可能性もあります。
性器ヘルペス
性器ヘルペスとは
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる性感染症です。感染しても80%程度の方は無症状ですが、ときに激しい外陰部の症状を引き起こします。
【男性の症状】
- 亀頭や陰茎に痛みやかゆみを伴う水疱が出現する
- 数日後に水疱が破れ、びらんを形成する
- 排尿困難や排尿痛を伴うこともある
- 約1週間で症状はピークを迎える
【女性の症状】
- 外陰部に水疱や潰瘍が生じる
- 男性より重症化しやすく、発熱や倦怠感などの全身症状を伴いやすい
ヘルペスウイルスは神経節に潜伏し、抵抗力の落ちているときなどに再発します。繰り返し発症する場合もあるため、注意が必要です。なお、なるべく早期に抗ウイルス薬を投与することができれば、ウイルスの増殖を抑制し、症状の持続期間を短縮させることが可能です。
性器ヘルペスの治療には、内服薬や軟膏で治療しますが、重症例では点滴が用いられます。気になる症状がありましたら、お早めに新橋日比谷通りクリニックへお越しください。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマとは
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス6・11型による性感染症です。同ウイルスに感染すると、平均して約三ヵ月という長い潜伏期間を経て、性器周辺にイボ(先の尖った硬い腫瘍)が現れるようになります。イボの形態は、典型的な症例では多発しカリフラワー状になりますが、単発であったり、丘疹状であったりなど、バラエティーに富んでいます。
ベセルナクリームという塗り薬で治療を開始し、なかなか治らない場合は液体窒素や電気メス、レーザーなどで切除する治療を行います。
クリームは、16週間まで切除もともに保険が効きます。3ヶ月以内に約25%の人が再発しします。
性器に気になるイボを見つけたら、お早めに当院へご相談ください。
肝炎
ウイルス性肝炎(A型、B型、C型)
ウイルス性肝炎は、ときに性行為によって感染することがあります。そしてときに劇症化し、命にかかわるケースもあります。B型肝炎、C型肝炎は慢性化し、肝硬変や肝細胞がんに移行する可能性もあるため、注意が必要です。
・陰部のできもの 腫れ・ただれ
性器ヘルペスや尖圭コンジローマなど、性感染症によって外陰部症状を呈する疾患は多くありますが、それ以外にも、生理的なイボや原因不明のできものもあります。自然治癒しない場合は、液体窒素による治療や電気メスによる切除も可能です。
亀頭包皮炎
亀頭や包皮に、細菌や真菌が感染することによって起こるのが亀頭包皮炎です。主に腫脹や疼痛、赤み、痒みなどの症状を認められます。
抵抗力が落ちると再発しやすくなります。
治療は、細菌が原因であれば抗生剤の内服や、炎症を抑えるためのステロイド軟膏の塗布を行います。真菌が原因の場合は、抗真菌剤のクリームを塗布します。
急性精巣上体炎
精巣上体の細菌感染により、激しい痛みと腫れを引き起こす疾患です。クラミジアや淋菌が原因のことがあります。精索捻転と鑑別がつきにくい場合があり、捻転が疑われる場合は手術を行います。両者の鑑別には、ドップラー超音波検査が有効です。
当院の 超音波検査器は、IMT自動チェック機能付きで苦痛なく短時間で検査できます。
おりものが多い かゆみがある
性器カンジダ症
性器カンジダ症は、体の抵抗力が低下したときや、抗生剤の内服中に発症しやすく、陰部のかゆみやおりものの増量感などの症状を呈します。おりものは白く濁り、カッテージチーズ状やヨーグルト状と表現される、独特の性状を示します。疲労時などに再発しやすい傾向にあります。
治療につきましては、膣錠の挿入、軟膏の塗布を行います。
膣トリコモナス症
トリコモナス感染は、男性は無症状であることが多く、女性も約半数は自覚症状が認められません。女性の場合、症状が進行すると、泡状で悪臭の強いおりものが増加し、外陰部や膣の痒みを引き起こします。パートナー間でピンポン感染を起こすことが多い疾患であり、パートナーが感染している場合は、無症状であっても治療の必要があります。
感染が確認されたらフラジールの内服によって治療しますが、同時期にパートナーと本人の両方が治療を行った場合、良好な経過をたどることが多いです。
のどの性病
梅毒
1期と2期で口唇・舌・扁桃・歯肉・口角などにしこりや粘膜斑が出ることがあります。粘膜斑が大きくなったものは、梅毒性アンギーナと呼ばれます。
クラミジア性咽頭炎
オーラルセックスによって感染します。クラミジアに特有の咽頭所見はなく、多くは症状がありません。女性性器クラミジア感染者の10-20%はのどにも感染しているというデータがあります。うがい液による検査で診断できます。
淋菌性咽頭炎
典型的なものは、偽膜形成を伴う炎症で強い痛みがありますが、非常にまれで、ほとんどがクラミジア同様無症状です。性器淋菌陽性者の10-30%はのども陽性というデータがあります。うがい液による検査で診断できます。
クラミジアも淋菌ものどに感染しても普通は症状がないので、治療機会がなく人々に蔓延していく原因にもなっています。
※性感染症は、男女とも自覚症状の無い疾患が多数あります。結婚を控えている方や、最近パートナーが変わった方は、ぜひ検査を受けることをお勧めします。
※当院では、1回のご来院で全ての性感染症をチェックできるスタンダードなセット検査(STIチェック)を用意しております。
※ブライダルチェックは、STI健診にさらに一般の健康状態の検査に風疹の抗体価を含めたものとなります。オプションで男性は精液検査を追加できます。
医院概要
医療法人社団 令和会 新橋の内科・泌尿器科新橋日比谷通りクリニック
- 住所
- 〒105-0004
東京都港区新橋2-12-16 明和ビル3F - 最寄駅
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JR「新橋駅」日比谷口より徒歩4分
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